嬉野ならではの釜炒り製玉緑茶と、

蒸し製玉緑茶という茶葉が丸まったお茶づくり

釜炒り製 玉緑茶はうれしの茶を代表するものでしたが、精揉工程を行なわずに乾かすため、勾玉(まがたま)状になることから玉緑茶と呼ばれています。
茶葉のグリグリとした丸い形状から「グリ茶」と呼ばれました。戦前までは釜炒り茶の生産がほとんどでしたが、戦後は徐々に蒸し製の生産に変わっていき、近年は蒸し製 玉緑茶を手掛ける生産者が増え、釜炒り製玉緑茶は稀少な製品となっています。
小野原製茶問屋では、生産者と手を携えて、甘みが際立った伝統的な釜炒り製玉緑茶をふたたび広める取り組みを行っています。また、蒸し製玉緑茶にも同様の熱意を注ぎ、おいしい「うれしの茶」を作り続けたい強い思いで日々精進しています。

継承される伝統技術と
お茶の薫り

六百年以上におよぶ製茶の歴史を大切にして、

現代のテクノロジーもプラス。

嬉野茶は、15世紀に嬉野に移り住んだ中国の「明」の陶工が自家用に茶を栽培、製茶して利用していたのがはじまりとされています。また16世紀初め中国から嬉野に移り住んだ「紅令民」という陶工が南京釜を持ち込み、当時の中国で飲まれていた最新の釜炒り茶の製法を嬉野に伝えたことから広がったと伝えられています。
江戸時代はじめに「吉村新兵衛」が嬉野において茶の殖産化を図りました。以後長崎街道を通って嬉野宿に宿泊した幕末の志士や文人、またドイツ医師のケンペルやシーボルトらにより、当時の嬉野茶の記録が遺されています。幕末には長崎の女性貿易商、大浦慶によって大量の嬉野茶がアメリカに輸出されました。これは民間人による茶貿易の第一号とされています。

思い

小野原製茶問屋は小野原栄太郎が1947年に創業し、現在は三代目の小野原栄信が受け継いでいますが、世代が変わっても大切にしているのは長年培ってきた生産農家との信頼ときずなです。
茶畑へもひんぱんに足を運んで、お茶の生育状況を自分の目で確かめながら高品質の茶葉を吟味して仕入れます。茶葉にもそれぞれ特性があります。お茶の個性と風味を生かして自社工場で丁寧に加工していきます。

お茶と水のこと

日本茶に合う水は、硬度30~80mg/リットル程度の軟水といわれています。
基本的に日本の水道水は軟水もしくは中程度の軟水なので、日本茶には適しています。日本茶は、旨み、渋み、苦味のバランスを楽しみます。 水の硬度が高いとお茶の苦味が抑えられてしまうからです。お茶をいれるのに適した水は、微酸性の「軟水」です。

軟水とは、カルシウムやマグネシウムが少なく、硬度が低い水のことです。日本のミネラルウォーターは大丈夫ですが海外のミネラルウォーターは硬水が多いので注意が必要です。硬度が高い硬水だと、日本茶内のタンニン成分が上手く抽出されず、お茶の香りや味が薄なって、白く濁ってしまうことがあります。そのため、多くの外国産のナチュラルミネラルウォーターは、カルシウム・マグネシウムを多く含む「硬水」であるため、お茶をいれるには適当ではありません。

おいしくお茶を飲むためには、おいしい水も必要不可欠なのです。

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